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アメリカで輝いている人 VOL.50

山本 真理 さん (Mrs. Mari Yamamoto)
弁護士 
 
アメリカで活躍されている方々にインタビューをし、その人の活躍の場、内容、素顔を通じ
よりアメリカを知っていこうと企画された “Brilliant People” 輝いている人!

第50回目に登場いただくのは
弁護士の  山本 真理 さんです。


山本真理さんは Barnes & Thomburg の弁護士として日系企業部を纏めご活躍です。また、JCCC(シカゴ日本商工会議所)、日米協会の役員として日系企業、日本人とアメリカの接点を持つ為に多方面でご活躍されています。
−経歴−

1960年 鳥取県出身
1981年 Yale 大学 短期留学 
1983年 お茶の水女子大学 英文科卒業 
1985年 Wisconsin 大学院 ジャーナリズム・コミュニケーション専攻 
1989年 Barnes & Thomburg インディアナポリス本社 入社
1991年 Indiana 大学 ロースクール卒業
1992年 弁護士資格を取得
1992年 Mayer Brown 入社
1994年 Ross & Hardies 入社
2004年 Barnes & Thomburg シカゴ事務所 入社


もともと弁護士を目指していたのですか?

高校の時は東京の音大を目指してピアノの練習に励んでいました。住んでいた鳥取から毎週土曜の夜行 出雲というブルートレインに乗って東京まで行き、日曜日に帰ってくるという生活をしました。

3 歳の時からピアノをやっていましたが、結局 18 歳の時に先生から音大進学は無理と言われて止めてしまいました。その時はショックでしたが今考えると良かったと思います。ズルズル続けていても芽は出なかったでしょうから、やはり駄目なものは駄目とはっきり言ってもらわないと踏ん切りがつかなかったでしょうからね。

音楽を楽しめる環境にいさせてくれた親や先生には感謝しています。

日本では御茶ノ水女子大学を卒業されたのですよね

ピアノで挫折してから英語を使って出来る何かになりたかったですし、海外にも行ってみたいという希望はありました。

大学 3 年の時に イエール大学に半年程留学をし、アメリカの文化と歴史を勉強しました。アメリカの大きさとか色々なものが混じったこの国で働きたいと益々思うようになりました。

そして ウィスコンシン大学院に入学

ロータリー奨学生として ウィスコンシン大学院に入学、ジャーナリズムとコミュニケーションの勉強をしました。そこでマスターを取ったところで、今度は夫が大学院に行く番だという事でインディアナ大学  ブルーミントン校に行きました。彼はアメリカ人なのですが、ここでロシアの歴史を学び、私はスタッフとして教育関係の仕事する機会をもらいました。

弁護士になられたきっかけは?

インディアナ大学で働いていた Barnes & Thornburg の弁護士から声がかかり、これからは日本人の弁護士もいないといけないという事で、弁護士資格を取得する為に学校に行く事を条件にフルタイムのアシスタントとして採用されたのがきっかけですね。

丁度その頃 インディアナの I-65 周辺地域に日系企業が進出し始めた頃でした。円高の影響もあり製造拠点の現地化の走りの時代ですね。

それから弁護士になる為 学校に通われたのですか?

そうです。フルタイムで仕事をして、毎日夜 6 時 30 分から 9 時まで学校に行きました。試験の前だけ 1 日仕事を休ませてもらいましたが、その他は毎日仕事と毎晩学校の日々です。

英語には結構自信はあったのですが、まず苦労した事は法律用語が分からないこと。 Legal Dictionary で調べまくりでした(笑) 授業をカセットに録って何度も聞きなおしたりしましたね。 1 年後には要領も良くなりカセットのお世話にならずにすむようにはなりました(笑)

性格的に、短期集中で終えてしまいたい方なので毎晩夜間に通い 3 年半で Law School を卒業しました。

若い頃にアメリカで勉強するのと、ある程度の年齢でするのは違いますか?

高校を卒業した 18 歳でアメリカの大学に来るのと 22 歳で来る人は大きな違いがあると思いますね。私としては今有難いと思っているのは日本の大学できちんと日本語を学んだ事です。法的文章もきちんと日本語で読み書き出来ますから日本の大学を卒業してから渡米して良かったと思っています。

弁護士として気をつけている事は何かありますか

法律は難しい事が沢山ありますから、それをいかにわかり易くクライアントのコンテクストで説明でき、痒いところに手の届くような弁護士活動、お手伝いをするように心がけています。

ただ聞かれた事に応えるだけではなく、皆様の生活にそった形で伝える。ニーズに合ったサービスをする。ですから製造業のクライアントであれば必ず工場に行って工程を見て、何を作っているかを知る。サービス業なら製造業にはないコストやリスクなど全てを知って適切な対応を取るようにしています。

人の顔を見て、会社の雰囲気やリスクを感じる。人間としての嗅覚も必要だと思います。

なかなかそのようなサービスをしてくれる弁護士は少ないですね

アメリカ人にも多いのですが、法律の説明だけをして後はお客様の判断に任せますというタイプは多いですね。このようなアドバイスの仕方をする弁護士はリスクを避ける、悪い言い方をすれば逃げているんですね。私は一歩踏み込んだアドバイスを必ずするようにしています。

日系企業、特に子会社は親会社に言い難い事も沢山ありますから、私のような外部の専門家を大いに使ってくださいと伝えています。客観的なアドバイスを皆さん外部専門家に求めているわけですから、親会社にもこう伝えてくださいといった明確なアドバイスをします。

痒い所に手が届くサービス クライアントによっては勘違いをしてあれもこれもと甘えてしまう方もいませんか?

確かに甘えるお客様もいらっしゃいますよね(笑)
ビザ面接に行くのにカナダのホテルを教えて下さいといった旅行代理店のような仕事を依頼される時もあります。 でもうちの日系企業部ではそこまでやっています。総合サービスの時代ですから。

弁護士費用はどこもそうですが、決して安いものではありません。弁護士は専門家なのでサービス業ではないと言う方も大勢います。日本はそれで良いと思いますが、アメリカは日本とは違い競争が激しいですから、クライアントの求めるサービスを提供しないと淘汰される時代に来ています。

アメリカと日本の弁護士に違いはありますか

司法試験の合格率はイリノイ州で 60% 〜 70% だと思います。日本はいまだに 5% 〜 10% と狭き門ですよね。

アメリカの弁護士の数が多いのは訴訟が多いだけではなく、かなり専門化されているという点もあります。1人の弁護士に聞けば会社法、環境法、離婚、交通違反、訴訟など全てが分かると思われがちですが、1人で全てをやる事は不可能なのです。

私は弁護士になって 14 年目になりますが、毎日新しい事象に出会い、発見と驚きの連続です。

ですから、最初のスクリーニングが最も重要です。その問題は誰が適任か、適切なアドアイスが出来るのは誰かを判断し方向性を決める。知りませんじゃなく、無駄な時間を使わず、まず最初の入り口できちんと交通整理をする事が法律問題解決の最も近道となり大切なのです。

アメリカの弁護士も今と以前とでは違っていますか

一昔前のアメリカのトラディッショナルな弁護士は1センテンスを何度も書き換え、時間をかけてとても部厚い契約書を作成していた時代がありました。

しかし、今の時代は効率、いかに短時間で的確に仕事をするか。スピードと内容の時代になっています。複雑な問題をいかにクリアに短時間で消化し、的を絞ったアドバイスと解決法を提供出来るかが現代の弁護士活動のポイントだと思います。

Barnes & Thornburg に日本人は山本さん以外にもいるのですか?

シカゴには移民法の工藤弁護士、インディアナに雇用法の西河原弁護士、それと日本人アシスタントがいます。

それが Barnes & Thornburg の日系企業部として皆様のお役に立てるよう活動しています。

大手弁護士事務所と小さな事務所の違いはあるのでしょうか

メガファームと呼ばれるような弁護士が 2,000 名以上もいる事務所ではハーバードなど優秀な大学を卒業した弁護士が沢山いますし、クライアントもフォーチュン 100 〜 200 に入るような大手が多く、弁護士費用も飛びぬけて高い弁護士の集団です。

その代わり勿論総合法律事務所としてあらゆる案件に対応する人材を持っていますし、難しい案件も的確にこなしていきます。

逆に 20 名〜 30 名規模の弁護士事務所では特異な分野になると自分の所では全ての案件に対応出来ず外注しなければならなくなります。

Barnes & Thornburg は ちょうど中間サイズで420 名の弁護士がおり、いわばミッドサイズの総合弁護士事務所です。中西部では TOP 10 には入ると思います。知的財産、移民、 M&A 、大きな訴訟、環境法など良いコンビネーションを持っていますし、 80 年代から日系企業をお手伝いしていますので、日本の企業を大切にするというマインドを持っているところが良いところですね。

系企業がアメリカで仕事をする場合 特に気をつけるべき点は何ですか?

人事、人の問題が一番でしょうね。アメリカに長く住み、慣れている人でも何気なく言ってしまったり、やってしまう事があります。英語だと気をつけている事でも日本語だと気を許してしまう。

例えば現地採用の日本人と夜遅く残業している時など「アメリカ人は働かない」とか「彼は歳を取っているからコンピュータが使えない」などの差別発言をポロっと言ってしまう。

ある従業員が会社を辞めさせられた場合 自分は高齢で白人だから解雇させられたと言って訴訟になるケースがあります。過去残業の時にアメリカ人の事を一緒に話していた現地採用の日本人が証人喚問を受けた場合は過去の発言が証拠として提出され証言となります。

それと日本人は妊娠している女性を心配して「彼女は産休をいつから取るんだろう」と親心で言ったつもりでもハラスメントになるケースがあります。

また、工場で「危ない」というのが怒鳴ると受け止められるケースや言葉じゃなく体を押すなどの行為があった場合も訴訟になる場合があります。

プライバシーの距離が日米で差がありますよね。アメリカでは 約 33 cm より人に近づくと抵抗感があると言われています。

痛い目に遭わないと分からない事も多いのですが、痛い目に遭ってからでは遅い(笑)

他に気をつけるべき点はありますか

言葉の問題も大きいですね。異文化ですから仕方がない部分はありますが、上手くニュアンスが伝わらずアメリカ人を怒らせてしまう時もあります。

我々のように訴訟を何件もみてきた者にとってはEメールは特に気をつけないといけないと感じます。

Eメールはあまりにもインフォーマルで、活字によって相手が受けるインパクトを考えずに簡単に送ることが出来てしまいます。ですが 「ごみ箱」に捨てたはずのEメールも全てが証拠として残ってしまうので注意しなければなりません。

弁護士活動の他にも JCCC(シカゴ日本商工会議所) や日米協会など多方面でご活躍ですね

今年はボランティアとしての活動も一生懸命やろうと思っています。この歳になってようやくボランティアの大切さなどが分かりました。

駐在で来られた方々にも、せっかくアメリカに来たのだから是非多くのアメリカ人と友達になって帰って欲しいと思っています。

ですから日米協会の活動として昨日も Brookfield Zoo にアメリカと日本の子供達を連れて行き、友好をはかってきました。子供達は言葉を越えて一緒に遊び仲良くなります。子供のいる親同士も子供を通して仲良くなったりします(笑)

日米協会では教育、ビジネスプログラムにも力を入れています。何故韓国ドラマが日本でこれだけの人気を呼ぶようになったかを特集するプログラムや秋にはアートインスティチュートの斉藤先生に協力頂き日本語でシカゴ美術館のハイライトを見学するツアーを組むなどファミリーでも楽しめる企画をドンドンやっていきたいと思っています。

シカゴのビジネスを訪問する企画でマクドナルド大学や FEDEX の心臓部でもあるオヘアの配送センターを見学に行ったり、ボーイング社の日本の女性社長による講演を依頼したりと今後も日米の接点を持つ機会を増やしていきます。

そのような活動を一所懸命やるようになったのは、何かきっかけがあったのですか

今私は日本とアメリカの生活が丁度半分になったんです。ですから純粋な日本人、純粋なアメリカ人(マインド)、そしてミックスでいる自分のバランスを良く保ちたいと思っています。

潜在意識では日本人なんでしょうね。夢も日本語で見ますし、リタイヤしたら鳥取に帰って温泉でもつかりながらのんびり過ごしたいと思っていますからね(笑)

先程もお話しましたが、アメリカの友達を作って帰って欲しいというのも、そんな自分の気持ちの表れなんでしょうねぇ。

ご出身は鳥取なんですね

そうなんです。鳥取出身なのですが、田舎はとても良いですねぇ。歳を取るにつれ本当にそう感じます。今も昔もほとんど何も変わらない良さ。何十年経っても変わらない良さというのがありますよね。

シカゴはもちろん都会ですが、とてもバランスが良い町なので大好きです。異業種が集まっていても、どこかに共通項がある。ニューヨークでは大きすぎて纏まらない。中西部の他の都市でもインディアナやオハイオはメーカーが多いので、どうしても同じ方向を向く傾向がある。その点シカゴは丁度良いサイズ、都会と田舎の良さがある都市ですね。

もうピアノは弾かれないのですか

一時止めていたのですがシカゴに来て、このブリリアント・ピープルでも紹介されていた山田令子先生に習って、また弾き始めました。今は時間がないのでレッスンは受けていませんが、リラクゼーションの為に好きなピアノを弾いています。

それと私 ロシア人ピアニストのキーシン( Evgeny Kissin )が大好きなんです。ファンクラブの会長でもあるんですよ(笑) 今は忙しくて出来なくなりましたが、以前は色々なところに追っかけしていました(笑) でも彼は世界中にファンが多いので悲しい事に毎回会うたびに初めて会ったような挨拶をされるんですよね(笑)

成功の秘訣を教えてください

アメリカの女性弁護士は苦労されている方もいるようですが、私は女性である事がマイナスだと思っていません。男ではないのですから男性と互角にという気持ちは全くないのがかえって良いのかもしれませんね。

女性で良かったと思いますね(笑) 私はクライアントのお話を良く聞くことに努力していますので企業の方も色々な事を話してくれます。何が問題かを短時間の中で見つける事が大切ですから情報は多い方が良いのです。問題を抱えてくる方は、ただでさえ大変なのに、それを聞かれるのはもっと大変ですよね。明かりが見えない。ですから女性的なソフトな部分を生かし、リラックスした雰囲気の中で全部を話して欲しいと思っています。それが問題解決に繋がりますからね。

 

お薦めスポットは何かありますか

そうですねぇ ミレニアムパークは素晴らしいですよね。皆さんご存知のところですが、ビーンズを造った人なんて天才だと思いますね(笑) 

それとチャイナタウン。危ないとか怖いというイメージをお持ちの方もいらっしゃいますが全くそんな事はないですし、こじんまりとしていて良い感じです。

特に私のお薦めはペナンというシンガポール、マレーシア料理を出してくれるレストランです。シンガポールは徴兵制がある国ですから、目上の人への尊敬や人の事を思う気持ちが強く、そんな本当のシンガポールを感じることが出来るレストランです。

もう1つオペラには是非行って欲しいですね。私は音楽が好きなので時々行きますが、素晴らしい所です。

ストレス解消法は何ですか

やはり音楽を聴くこと。それと歩く事ですね。自宅が会社に近い事もあり、毎朝 30 分程かけて歩いて通勤しています。冬の寒い時でも I-POD を聴きながら歩いています(笑)

本日はご多忙の中、貴重なお話を聞かせて頂きまして有難うございました。

インタビュー後記

アメリカで弁護士としてご活躍の山本真理さんは日系企業の為に本当に良くご尽力されています。中西部の日系企業にとってはなくてはならない存在の人。

訴訟の国アメリカで日本の女性が弁護士として活躍されているのは素晴らしい事だと思います。それも女性らしさを失わずに、女性ならではの優しさ、ソフトさを大切にしている所が素敵です。

日本とアメリカの生活が丁度半分になった。日本人として、アメリカ人のマインドとして、それをミックスした自分のバランスを保って活動するとおっしゃっていました。とっても難しい事だと思いますが、それをごく自然体でやられているのが真理さんの魅力だと思います。

せっかくアメリカにいるのだからアメリカ人の友達を作って欲しいという強い願い。とても共感出来ます。その接点を創るボランティア活動にも熱心です。ハツラツとしていて輝いている、笑顔が素敵な女性です。

本日はご多忙中お時間を頂き有難うございました。


取材・文/小坂 孝樹 写真/堀内 啓志
Barnes & Thornburg LLP   http://www.btlaw.com/

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