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 シカゴの輝いている人 VOL.4
 岡 信哉さん (MR. NOBUYA OKA)
 武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ(株) 執行副社長
シカゴで活躍されている方々にインタビューをし、その人の活躍の場、内容、素顔を通してよりシカゴを知っていこうと企画された“Brilliant People” 輝いている人! 
第4回目に登場いただくのは武田薬品工業(株)の現地法人、
武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ(株)の執行副社長 岡 信哉さんです
−経歴−
神戸大学経済学部卒業。
1978年 武田薬品工業(株)入社 医薬営業本部配属
1985年 イリノイ大学 シャンペーン校 留学
1988年 ロサンゼルス駐在
1993年 ニューヨーク駐在
1996年 ドイツ・ハンブルグ駐在 武田ヨーロッパ 社長
2001年 日本に帰国後 医薬国際本部配属
2002年 9月よりシカゴ駐在
現在、
武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ(株)の執行副社長
アメリカ・ドイツと駐在のご経験がおありですが、日本・アメリカ・ヨーロッパでの生活を通して何か違いがありますか?

中にいるより外からの方がよく見えることが多いと言われますが、私はアメリカに駐在後、引き続きドイツに駐在しましたので、アメリカのダイナミズムをとても強く感じました。長い歴史によって育まれた伝統や文化がある日欧では感じられないダイナミズムです。広大で気候が良いロスアンゼルス、格別な刺激があるニューヨーク、治安が良く落ち着いた都会ハンブルグ、ミシガン湖と中西部のフレンドリーな文化を持つシカゴ。それぞれに特徴がありますので一概に何処が一番良いということは言えません。どこも素晴らしいですね。医療に関しては欧米も整っており安心ですが、日本人にとって医療、教育、安全という点ではやはり母国である日本は素晴らしい国です。

ビジネス上での違いはありますか?

ドイツでは武田ヨーロッパの社長として駐在致しました。欧米の共通点はYes / Noがはっきりしており決断が早いということです。ドイツ人は指示、命令に対しては素早く行動しますので、その点は日本に近いものがありますが、アメリカ人は何の為にやるのか議論して充分に納得させなければ行動しません。ブレーキを架けるケースも多々ありますが、新しいものへの対応、発想力はアメリカ人の素晴らしい特徴だと思います。

グローバルスタンダードについて深く考える。

グローバルスタンダードという言葉の意味を様々な人達との議論に熱中した時代がありました。世界に比べ短い歴史の中で育まれたアメリカの伝統、文化、環境はヨーロッパや日本と大きく異なります。伝統や文化がないという人々もおられます。アメリカは何でも世界のNo.1を強く打ち出しますが、私は以前から世界の中で唯一例外がアメリカではないかと感じておりましたから、グローバルスタンダード=アメリカンスタンダードとは思っておりません。或るドイツ人エグゼクティブが私に述べてくださった言葉・・・それ以来議論をする必要がなくなりました。"Pure Competition"

日本とアメリカだけでは分からなかった事とは?

ヨーロッパに異動して初めて、ダイナミズムに加え、アメリカの偉大さ、怖さが判ったように思います。アメリカはヨーロッパに比べ階級社会がなく、平等に広く門戸が開かれていますが、特別視されない代わりに競争も厳しい。ヨーロッパは競争の土俵にあがる前に異国人としての壁があるように思えます。EUは物流面と通貨統合で大きく前進しましたが、それでも人種、言葉、文化、税制が各国で異なり、国境がある独立主権国家の集合体です。人々のモビリティーも低いでしょう。統合を理由に率先して他国に移住するドイツ人はいないでしょう。もしEUがこれらの課題を乗り越えて、United States of Europeになれたとしたらアメリカを超える事が出来ると思います。しかしそれが本当にいいことなのか?個人的には今のヨーロッパが好きですけどね。

駐在員生活を通しての面白い経験・エピソードなどを教えてください。

そうですね、これは一番苦い経験でもあり、良い勉強でもあった事です。医薬事業ではなかったんですが、初めて駐在したロスアンゼルスではアメリカ人上司の下で、セールスをしておりました。駐在後間もなくニューヨーク本社の執行副社長から「何の権限で私に命令するんだ!お前はセールス部門の中でもボトムパーソンだ!」と罵倒されたんです。若かったし気負いもあったし、駐在員意識が強かったんですね。それよりも本当に怖かった。それを機に駐在員意識を簡単に捨てました。絶対に対等に勝負してやる! 顧客の拡大件数、訪問件数、業績伸長率は毎年トップクラスだとボスから評価を戴きました。それでも2年半、セールス部門のミーティングや会食には誘われず全く村八分。これは本当に辛かった! 或る全体ミーティングの後でいつものよう日本人同士で食事に行こうとしたら、ボスから「お前はセールスマンだから我々と一緒に行かないか?」。やっと仲間と認めてもらえた・・・。どんなポジションだろうが、いかに貢献するかが重要であり、駐在員だからといって甘えれば受け入れてはくれません。辛い体験でしたが、お客さんはよくもまあ私の英語で物を買ってくれましたねえ。

その時の経験が今の仕事に影響していますか?
























武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカは100%日本の子会社ですが、日本企業としてのカラーはありません。約1,800名の従業員がおりますが、駐在員は6名前後ですし、各々の役割が異なりますので、社内では日本語を一切必要としていません。本社との調整やコミュニケーションは勿論致しますが、公式にはアメリカ人担当者が行っております。本社のルールを遵守しつつ完全にアメリカ企業として行動する努力を継続致します。

現在のお仕事について少し教えてください。

弊社は武田薬品の100%子会社として医薬品の開発、マーケティング、販売に従事しております。
今年設立5周年を迎えた若い会社で、現在までアクトスという糖尿病治療薬を販売しておりますが、来年1月からはKos Pharmaceuticalsの高脂血症薬2製品のコプロモーションを開始する予定です。

アメリカに来たきっかけは何ですか?

元々外国は本当に嫌いで、旅行に行くのも嫌な性格だったんです。1985年に会社から留学のチャンスを戴いた時はまさに晴天の霹靂。---「2週間・・・考えさせて下さい」「人事部への返事は明日。これを断ったら二度とチャンスはやらんからな」「それは脅迫というもんですよ!」--- 大きな人生の岐路でした。皮肉にも海外生活約15年は会社人生の半分以上ですが、失敗の方が遥かに多いですよ。だからこそ後輩達にはいい意味で色々なことを残していければと思います。海外での経験、体験は、私にとって本当に貴重な、掛替えのない財産ですね。会社には心から感謝しております。

お仕事柄、健康管理にはお気を使われますよね。

そうですね。健康管理はやはり食事と運動でしょう。週に3-4回ジョギングを、心がけてはおりますが、なかなか継続が難しく。1回のジョギングは3-5マイル程度です。食事は特にコレステロールに気を使っております。

最後にシカゴのお薦めスポットをご紹介ください?


夏のレイクショアやネイビーピア、それと高い所が好きですので、シアーズタワーもお薦めです。ジョンハンコックセンター96階のバーで、地上の夜景を見ながらお酒を飲むと、人生観が変わったと思われたことはありませんか?

本日はご多忙の中、貴重なお話を聞かせて頂きまして有難うございました。
インタビュー後記
1800名もの従業員を率いる執行副社長の立場にありながら、とても気さくに、また色々なエピソードを交えながらビジネスや医薬の話を分かりやすくお話頂きました。特に駐在員がいかに現地に溶け込み、ビジネスに取り組むべきかといった話しやアメリカ、ヨーロッパ、日本の違いに関して実体験をもとにお話し頂いた事など、とても興味深くインタビューさせて頂きました。お忙しい中お時間を頂き、大変有難うございました。

小坂孝樹

関連リンク
武田ファーマシューティカルズ・ノースアメリカ(株) http://www.tpna.com
武田薬品工業(株) http://www.takeda.com

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