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 シカゴの輝いている人 VOL.3
 片山 晃佑さん (DR.KOYU PAUL KATAYAMA)
 医学博士・ウィスコンシン大学医学部臨床教授

シカゴで活躍されている方々にインタビューをし、その人の活躍の場、内容、素顔を通してよりシカゴを知っていこうと企画された“Brilliant People” 輝いている人! 
第3回目に登場いただくのは体外受精の権威であり、またウィスコンシン大学医学部臨床教授でもある医学博士の片山 晃佑 先生です。
−経歴−
東京都出身。
東京大学医学部卒、医学博士。
全米初の試験管ベビーを誕生させたハワード・ジョーンズ博士に10年以上ついて研究
1983年   ウィスコンシン州に不妊治療専門医院を設立
1993年   イリノイ州アーリントン・ハイツ分院を設け、中西部で最初のICSIによる体外受精を成功させる
2002年7月 アメリカで初めて Vitrified Egg Donnor 及び Vitrified Own Egg のテクニツクを使った妊娠に成功 
現在、ウィスコンシン大学医学部臨床教授。米国産婦人科学会、生殖内分泌・不妊症認定医。
先生が体外受精のご専門になったきっかけは何ですか?

私の母が癌で亡くなった事もあり、はじめは癌の研究をしていたのですが、癌は人の生命を奪う機会が多い病気ですからとても苦しいものがありました。それで生命を育む方の医学の研究の方が自分には向いていると思って方向転換をしたのです。
現在は不妊治療の一環として体外受精の研究に取り組んでいます。

世界的な権威としてアメリカで初めて VITRIFIELD EGG DONNOR (凍結卵子提供者)及び VITRIFIELD OWN EGG のテクニックを使った妊娠に成功されました。簡単にご説明いただけますか?

実際今までにも凍結卵子を使った妊娠はいくつか成功しているんです。しかし従来のものはスローフリージングといってゆっくり凍結させていくもので成功率は数百に対して1症例程度のものです。しかし今回のものは瞬間的に凍結させることにより結晶が出来ない、即ち卵に傷がつかないので成功率が格段に上がるのです。6例中2症例が成功し可愛い赤ちゃんが生まれましたよ。

不妊治療(特に代理母)に関してお話をお伺い出来ますか?


世の中には子供が欲しくても色々な理由によって子供に恵まれない人達が大勢います。不妊の理由は男女問わずまちまちですが、例えば年齢とともに卵巣の機能が低下し子供が出来にくい状況になります。その場合若い卵の提供があれば妊娠は可能です。代理母出産のように別の女性の体を借りて出産する方法も考えられます。日本の医学界ではこの代理母の制度を認めていません。

アメリカで研究される理由は?

産婦人科としての認定医は日本にも制度として確立されていますが内分泌、不妊、危険率の高い産科などスペシャリティに関しての認定はまだないのです。特に体外受精や代理母の制度に関して日本では法律的な問題や倫理的な問題、社会的問題、医学的問題などで難しいものがあります。その点アメリカの方がこの問題に関しては進んでいますので、こちらで研究をした方が遥かに最先端の治療が可能になります。

代理母出産の制度はどのような問題がありますか?

色々な問題が考えられます。先述のように法的、倫理的問題、社会的問題などの他、日本では代理母の商業化の心配や姉妹間の卵子提供の禁止など感情的問題があります。姉妹間の卵子の提供は例えば機能低下をしている姉の卵子の代わりに若い妹の卵子を提供する場合、妹は姉のために何とかしなくてはといった必要以上のプレッシャーがかかったりします。その為妹から進んで卵子の提供がある場合にのみ認められます。

日本とアメリカの代理母に対する考え方の違いを教えてください。

アメリカには利己主義に対して利他主義という考え方がとても強くあります。これはキリスト教の教えだと思いますが他人を助けたいという気持ちです。ボランティアなどがそれにあたりますが、代理母になる人にはこの気持ちが非常に強いように思います。実際代理母になられた人にお話を聞きましたが、不妊で困っている人が自分の体を使って子供が授かって幸せになれるのなら私はとても幸せだと言っていました。

日本の医学会との関わりはありますか?


いくつかありますよ。日本での体外受精に関しての国際学会で代理母の禁止に対しての発表等がありますが、代表として参加します。また、私は東大を卒業して東京大学の教授にならずにウィシコンシン大学の教授になっている訳ですが、今度は東京大学の教授を採点する立場になってしまったのです。不妊科学会の会長達がなる名誉会員に推挙してくれるとも言われています。

先生は不妊治療だけではなく出産の方もやられるのですか?

娘を取り上げたのが最後です(笑)。勿論出産やその他の事に対してはきちんと診断書をつけてご紹介致します。

ご家族は娘さんだけですか?

息子もおります。二人とも随分とのびのび育ってくれていますので嬉しいです。妻はアメリカ人で医療関係の他、イミグレーションの方も専門に行う大手法律事務所で弁護士をしています。私よりも才能があります(笑)

ストレス解消はどうされているのですか?

スキューバーダイビングやスキーなどのスポーツをしたりして楽しんでいます。ライセンスはカナダのボニアという島でPADIを取得しました。最近はフロリダの家でダイビングをしたり、自分の船で楽しんだりと子供たちと一緒に過ごすのが一番のリラックス出来る時ですね。日本からの友人が来たときは20人程のパーティを開いて楽しみました。

現在はアーリントンハイツの他にウィスコンシンにも医院があるようですが。

そうです。アーリントンには1週間から2週間に1度程来ますが、殆どがウィスコンシンにおります。設備もあちらの方が整っておりますし、住まいもミルウォーキーです。ミルウォーキーは文化的にも技術的にも水準の高い街だと思います。ドイツ系の街ですね。シンフォニーやオペラ、バレエなども観に行きます。また、とても人が良いのも特徴です。代理母をやっていただいた方をはじめ、人の気持ちを考えてくれるとても満足している街です。

最後に将来の展望をお聞かせ願えますか?

凍結卵や受精卵を使って可愛い子供たちを育んでいく技術を次の世代に継承していってもらいたいですね。凍結卵は2000年も持ちますからね。

本日はご多忙の中、貴重なお話を聞かせて頂きまして有難うございました。
インタビュー後記
体外受精の世界的権威、大学教授という肩書きを持つ医学博士という一般的なイメージとは違い、とても気さくなお人柄で難しい話も非常に分かりやすく説明していただきました。新しい生命を育むというお仕事柄かとても人間的に深い魅力のある方です。最先端の医療に携わりながら、プライベートではスキューバダイビングやスキーなどを子供たちと一緒に楽しむといったアメリカンな生活も素敵です。これからも不妊で悩む多くの人達の力になっていただきたいと思います。 有難うございました。

小坂孝樹

関連リンク

片山医院ホームページ               http://www.aiof.com/japan.files/homeframe.htm

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