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キュートで速い!
女性インディーカー・ドライバー、ダニカ・パトリック
いま、インディーカー・レースが大きな注目を集めている。インディー500は1911年から続くもので、アメリカばかりか世界を見回しても一番長い歴史を誇る自動車レースだが、その伝統あるレースを中心とするIRLインディカー・シリーズに今年から出場している女性ドライバーが大活躍をしているからだ。
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今年のインディーを盛り上げたダニカ・パトリック。
Photo
by
Naoki SHIGENOBU
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その女性とは、イリノイ州ロスコー出身のダニカ・パトリックだ。
まだ23歳の彼女は、身長5フィート2インチ、体重100パウンドと小柄だが、ガッツもドライバーとしてのスキルも男性ドライバーたちに引けを取らない。まだルーキーだというのに早くもトップ争いを演じるドライバーへと急成長を遂げている。
FHM誌で水着姿を披露したこともあるキュートさが彼女の人気の源となっているのは間違いない。しかし、ただ可愛らしいだけではレーサーとしては認められない。彼女は女性としては史上初となるトップ・カテゴリーでの優勝を果たせるドライバーであるからこそ注目を浴びているのだ。女性としてでも小さい体格で700馬力オーバーのマシンを操り、男性ドライバーたちを相手に奮闘しているところは、男性だけでなく、女性ファンにも絶大なる支持をされている。
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女性ルーキー・ドライバーのダニカ・パトリック。
注目度抜群なのは、史上初、女性で優勝を狙えるドライバーだから。
Photo
by Hiko
Amano |
日本のツインリンクもてぎ(栃木県)で行われた第4戦ブリヂストン・インディ・ジャパン300で予選2位を獲得し、決勝は4位でゴール。この時点では、遠く太平洋の反対側で行なわれたレースだったこともあり、まだダニカに対する注目度はさほど大きくなかった。しかし、続く第5戦インディー500(インディアナ州)でまたしてもポールポジション争いに加わると、人気に火がついた。USAトゥデイはレースまでに二度も彼女を一面に載せ、スポーツ・セクションで大々的な特集を組んだ。テレビのニュースでも彼女の映像が大量に流された。
そして迎えたレース、ダニカは堂々とトップ争いに加わり、あわや優勝か?
という戦いぶりを見せて2戦連続の4位フィニッシュを果たした。インディー500で女性ドライバーがトップを走るのは、今年のダニカが初めて。4位入賞も女性として史上最高となるものだった。本当にインディカー・レースで優勝を狙えるドライバーであることを証明して見せたダニカは、今度はスポーツ・イラストレイテッド誌の表紙を飾り、知名度、期待度ともに完全に全国区となった。
5月末のインディー500の後、テキサス州フォート・ワース、バージニア州リッチモンド、そしてカンザス州カンザス・シティでインディーカー・レースが開催され、ニュー・ヨーク州ワトキンス・グレンで公開テストが行われて来たが、“ダニカ・フィーバー”はどこでも凄まじく、レース開催地の新聞は「ダニカがやって来る!」という記事を大きく載せ、彼女の姿を一目見よう、サインをもらおうというファン=“ダニカ・マニア”がサーキットへと殺到している。彼女の名前やマシンがペイントされたTシャツなどのグッズ類は、まさに飛ぶような売れ行きで、他のレギュラー・ドライバーたち全員のグッズを合計した以上の売り上げを示すまでになっている。
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USA TODAYで紹介されたダニカ・パトリック。
Photo
by
Hiko Amano |
小学生時代に始めたゴーカートで無敵を誇った彼女は、F1ドライバーを目指して単身イギリスへ。この行動力が並みのドライバーたち大きく違うところだ。同じ英語を話す国とはいえ、イギリスでの彼女はかなりの孤独感も味わったというが、レーシング・ドライバーとして成功するという夢の実現に向けて努力を続けた。そして、その奮闘がジャガーのF1チームでマネジャーを勤めていたインディーカー・チーム・オーナー、ボビー・レイホールの目に止まった。彼の薦めでアメリカに戻った彼女は、2003、2004年にフォーミュラ・トヨタ・アトランティック・シリーズでチャンピオン争いに加わり、ランキング3位に。そして2005年、いよいよレイホール・レターマン・レーシングという強豪チームからトップ・カテゴリーのインディーカー・シリーズへと出場することになったのだ。そして、ここまでの活躍により、F1界も彼女に注目するようになっている。
レイホール・レターマン・レーシングは、彼女の才能を見出したレイホールと、ABCテレビで“レイト・ショー”のホストを勤めているデイビッド・レターマンが共同所有するチーム。レターマンはインディアナ州出身で子供時代からのインディー500ファンで、レイホールは85年のインディー500優勝など、数々の実績を挙げている元アメリカ人ドライバーだ。彼らのチームは昨年のインディー500で優勝している通り、高い実力を持っている。強豪チームでデビュー年から戦えていることが、ダニカに大きなプラスとなっているのは間違いない。彼女の軽量さが有利に繋がっているとの見方もある。しかし、彼女の才能は最早誰もが認めるところだ。それを最短時間で開花させるようレイホール・レターマン・レーシングの経験豊富なスタッフがプログラムを組み、最高のマシンを与えている。昨年度インディー500ウィナーのバディ・ライス、実力は折り紙つきのブラジリアン、ヴィットール・メイラと2人のチームメイトにも彼女は恵まれている。
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レース風景 第89回インディー500
Photo by Naoki
SHIGENOBU
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2005年も中盤戦に差し掛かっているが、ダニカは第8戦カンザス・スピードウェイ(カンザス州)でついにポールポジションを獲得した。全長1.5マイルの高速オーバル・コースで彼女は平均時速214.668マイルを記録し、並み居る男性ドライバー21人を向こうに回して予選最速ドライバーとなって見せたのだ。レースは9位フィニッシュ。初優勝は果たせなかったが、中盤過ぎまでは15位前後を走る苦しいレースを戦いながら、ゴールを前にしてトップ・グループへとグイグイ順位を上げて行ったファイトぶりに7万人のファンは熱狂した。
まだトップ・カテゴリーでのレースは8戦しか走っていないダニカだが、その全てのレースで着々と経験を積み、どんどん実力を高めて行っている。女性ドライバーの初優勝という歴史的な瞬間が訪れるのは、決して遠い日ことではなさそうだ。2005年のIRLインディカー・シリーズの日程は以下の通り。
7月16日(土) ナッシュビル・スピードウェイ テネシー州ナッシュビル
7月24日(日) ザ・ミルウォーキー・マイル ウィスコンシン州ウェスト・アリス(ミルウォーキー郊外)
7月31日(日) ミシガン・スピードウェイ ミシガン州ブルックリン(デトロイト近郊)
8月14日(日) ケンタッキー・スーパースピードウェイ ケンタッキー州スパータ(シンシナティ近郊)
8月21日(日) パイクスピーク・スピードウェイ コロラド州ファウンテン(デンバー近郊)
8月28日(日) インフィネオン・レースウェイ カリフォルニア州ソノマ(サン・フランシスコ郊外)
9月11日(日) シカゴランド・レースウェイ イリノイ州ジョリエット(シカゴ郊外)
9月25日(日) ワトキンス・グレン・インターナショナル ニュー・ヨーク州ワトキンス・グレン(シラキュース近郊)
10月16日(日) カリフォルニア・スピードウェイ カリフォルニア州フォンタナ(ロス・アンジェレス郊外)
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